Uの倉庫 -U's storage-

ようこそ。ここはスキビのファンブログです。原作者様・出版社等各関係先とは一切無関係です。二次創作を扱っていますので、二次創作・同人という言葉や、また、一部桃色な表現もありますので、それらを不快と感じる方は立ち入りをご遠慮下さい。

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[SS-01]深夜の邂逅 page02

2ch落し物>[SS-01]深夜の邂逅

page02




顔に光が当たった刺激で、私はぼんやりと覚醒した。
現状を認識する前に、ふわりとした高揚感を感じたと思ったら
そのままじんわりとした暖かさと香りに包まれた。

ん…この感じ……好きだなぁ……。
敦賀さんの胸に抱き締められてるみたいで、気持ち い い ……。

ふわふわとした意識のまま、常ならば赤面して暴れてしまうようなことを考え、
しかし私はそのまま、再び眠りの淵へと沈んでしまった。
まさか本当に敦賀さんに抱き上げられているなんて思いもせずに。

***

「……好き………つるがさ……」
抱き上げた彼女が少し身じろぎ、目を覚ましたかと顔を覗き込んだところに
とんでもない彼女の呟きが耳に入って俺は固まってしまった。

え…?俺を好きだといった…?
ぐるぐると頭の中を様々な思いが駆け巡る。
いやいやいやいや。きっと彼女のことだ。
「ところてんは黒蜜と酢醤油のどちらが好きですか、敦賀さん?」とか
夢の中でそんなことを言っているだけに違いない。

必死に気を静め、しかしあまりの衝撃をやり過ごした脱力感から、
一段高くなっている畳の縁に彼女を抱いたまま座り込んでしまった。
はぁーーーーーっ。
盛大な溜め息が出る。腕に彼女を抱いていなければ頭を抱えてしまいたいところだ。
きっと俺は今、すごく情けない顔をしているだろう。
もし社さんが見たら、また「敦賀蓮のイメージってものがあるんだから」と
お小言を食らうこと必至に違いない。

全く…どうしてくれようかこの娘は。

この日本の芸能界で、自分の実力でそれなりの立場に立っているという自負がある、
そんな俺を無意識の行動ひとつでこんなにもうろたえさせ、自分でも気付いて
いなかった面を引き出される。
最近俺は、そんな自分に驚きっぱなしだ。

そんな発見をさせてくれたお礼と、俺を驚かせてばかりいることに対する
お仕置きをしたい、そんな気持ちがむくむくと湧き上がってきた。
膝に乗せている彼女を片腕で支え、空いた片手でそっと彼女の頬を撫でる。
いつかのように親指でゆっくりと彼女の唇に触れ、そしてそのまま
自分の唇を彼女のそれに重ねた。

──そっと触れるだけのキス。
彼女の吐息を自らの唇に感じながら、そうっと唇を離す。
離れる瞬間、自分の唇が震えていることに気が付き、柄にもなく
ひどく緊張していたことを知る。
──何がお仕置きだ。好きな子にキスひとつするのにこんなに緊張するなんて、
まるで中学生のガキみたいじゃないか。
知らず識らず苦い笑いが唇を歪ませる。

DarkMoonの撮影は間もなく終わる。そうすれば彼女と会う機会はなくなり、
また何ヶ月も見かけることすら出来なくなるだろう。
そうしたらこの気持ちはどうなるんだろう?
今までの“彼女達”のように心が離れ、思い出になるのだろうか。
──きっとそうはならない。今以上に思いが募り、胸を焦がすだろう。
そう確信めいた予感がする。
でも。自分はまだ……。

「う…ん…」
気付かぬ内に力が入ってしまったようで、彼女がいやいやをするように首を振り、
その動きにハッと我に返る。
いけない。今は彼女を送り届けないと。
俺は頭を振って気持ちを切り替えると、彼女の躯を抱え直して控え室をあとにした。

***


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